からだの動き外来

身体の動きが悪くなる病気

パーキンソン病をはじめとする、進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、線条体黒質変性症(SND)、多系統萎縮症(MSA)などがあります。

パーキンソン病とは

脳の中のドパミンという物質が不足して起こる病気で、身体が動きにくくなったり、振るえがでたりします。パーキンソン病は65才以上になると100人に1-2人がかかる病気で、めずらしいものではありません。

主な症状
  • 振戦(手足がふるえる)
  • 動作緩慢(動きが悪く、動作に時間がかかる)
  • 筋固縮(身体が硬くなる)
  • 仮面様顔貌(仮面をかぶっているように表情がなくなる)
  • 嚥下障害(食べ物や飲物が飲み込みにくい)
  • 小字症(字を書くと字が小さくなってしまう)
  • 姿勢反射障害(身体のバランスが取れず、転倒しやすい)

診断は特徴的な症状(神経学的所見)を細かく診察することが基本で、頭部MRI検査を行い特徴的な異常の有無を検査します。他の病気との見分けがつかない場合には、脳ドーパミントランスポーターシンチ(ダットスキャン)や心臓のMIBGというアイソトープ検査が必要になることもあります。この検査は当院では行えないため町田市民病院に依頼して検査していただきます(当院は町田市民病院の連携医療機関に登録されています)。

身体が動かなくなる病気

半身の上下肢(手足)が動かなくなることを片麻痺といい、運動神経が障害されることで起こります。脳から手足に至る運動神経は、左右で交叉するため、右脳が障害されると左半身が、左脳がやられると右半身が麻痺します。また、脊髄が障害されると両下肢が麻痺する対麻痺を生じ、頚髄が障害されると四肢がすべて麻痺する四肢麻痺になることもあります。
原因としては、脳梗塞や脳出血といった脳血管障害が多く、脳腫瘍、外傷などによっても起こります。診断には症状に応じたMRI検査が有効です。

身体が勝手に動く病気

身体が勝手に動く病気自分の意志とは無関係に身体が動いてしまうことを不随意運動といいます。これには、振戦、舞踏病様運動、バリスム、アテトーゼ、ジストニア、ジスキネジア、ミオクローヌス、痙攣などがあります。痙攣には意識消失も伴うてんかん発作もあります。

てんかんは、小児期に多くみられますが、最近では高齢者にも多く見られるということが分かってきました。ちょっとボーっとしただけや、眼が開いているのに上の空になってしまう焦点性意識減損発作もめずらしくありません。本人に自覚がなくても、ご家族や周囲の人に指摘されて気付かれることもあります。何かおかしいなと感じたときは、そのままにせず受診してください。

その他に、むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)やレム睡眠行動障害という病気があります。

むずむず脚症候群は、夜眠ろうとして布団に入ったときなどに、ふくらはぎの奥に虫がはっているようなむずむず感がしたり、ピリピリする、痒い、などの強い不快感が現れるため、じっとしていられず、身体を動かさずにいられなくなります。原因はまだ明らかではありませんが、神経伝達物質のひとつであるドパミンの機能障害が関与していると言われています。

レム睡眠行動障害は、浅い眠りのレム睡眠期に夢を見て、その内容によって大声をだして叫んだり、身体を動かしたり、時には起き上がってしまうという行動異常です。この病気はパーキンソン病やレビー小体型認知症の前ぶれとも言われています。

どちらも当院にて診断、治療いたします。心当たりのある方はお気軽にご相談ください。

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